光悦の大宇宙


私は学生時代、当時東京国立博物館の林家晴三先生の講義を週一回数か月受講していた。光悦の茶碗が好きで好きで堪らないと毎回のように仰っていたことが耳に響いている。多数の著書にも多く取り上げられており、ほとんど目を通している。今回展示品は8点くらい見られるので、行かねばなるまい!ということで出かけた。思ったより空いておりゆっくり鑑賞できた。舟橋硯箱が入口で迎えてくれていた。茶碗は第4章で、その前の第3章筆線と字姿が私には感動的だった。鶴下絵和歌巻、宗達との合作で長さ13メートル、金泥・銀泥で描かれた鶴の群れの上から書かれた三十六歌仙和歌。字の大小、墨の濃淡、言葉では表現できない芸術だった。宗達の絵の上に書くのであるから気合が入らないわけがない。蓮下絵百人一首和歌巻も同様で、この部屋にどれくらいの時を過ごしていただろう。その感動を得た後、最後に茶碗が迎えてくれて終了。いやぁー 見所満載で大満足でした。