金色堂
光悦展は平成館の展示だが本館の特別室で中尊寺建立900年特別展が開かれている。天治元年(1124年)の上棟から900年経ている記念展で国宝仏像11体全てが展示される。特別室は狭いので、度々入場制限があった。平泉は遠くて中々行けないがそっくり上野に来るとは有難い。展示は安置してある通りの配置で360度の方角から見られる。中尊寺にはまだ行ったことがないが、こんなに間近に見ることはできない。須弥壇中央壇に安置される阿弥陀三尊像三体と向き合い、続いて両脇に三体ずつ安置されている地蔵菩薩立像の前に来ると、目に涙が滲んできた。どうしてだか自分でも分からないが、人生で3回目の出来事。いずれも間近に向き合った時だった。厳つい持国天や増長天と向き合った時は上手に作ってあるなあくらいだが、穏やかで優しい仏像と向き合うと心に変化が起こるのだろう。凄まじい仏師の力量と思ってしまう。