清少納言


ここの所、時間があるので読書量がかなり増えている。図書館で新刊を予約したり、過去に読んだものを再読したり。先日10年くらい前に読んだ宮城谷昌光の孟嘗君を読み返した。全5巻の長編だが面白くてあっと言う間だった。「史記」の孟嘗君の故事に出てくる、函谷関という名称を聞いたことがあるでしょうか。孟嘗君が秦に捕らえられたが、逃亡を図り、朝、鶏の鳴き声で開く函谷関を、部下に鶏の鳴き真似をさせて夜中に開かせ、逃げ出すことができたという話。これを作者は清少納言の百人一首に詠まれていると解説している。早速図書館で“一冊でわかる百人一首”を借りてきた。「夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関はゆるさじ」 清少納言と藤原行成の長い詞書(ことばがき)を踏まえての一首。孟嘗君は紀元前350年、清少納言は平安時代、いやぁー! スケールが大きいです。