武士道の中の茶道

新渡戸稲造の武士道は明治33年、アメリカ在住時病気療養中に英文で執筆された。、武士道とは名誉を重んじ一致団結して正しいことを貫いていく姿勢。そして己の利益より、全体の利益を重視して義務と感じることを実行していく態度という。武士が重んじた価値を義・勇・仁・礼・誠・名誉・忠義という要素で書かれている。その礼の中に茶道が出てくる。

以下要約。「茶道の作法は道具を用いて、はっきりした手順を定めています。初心者は退屈に思うでしょう。しかしその方式は、結局は最も時間や労力を節約するものであり、最も効率的な力の配分をしています(最も優美)。茶の湯の第一の目的は心の平静、感情の明瞭さ、立ち居振る舞いの落ち着きといったものを作り出すこと。洗練された趣向を極限まで高めること。茶の湯はセレモニーという以上に、優れた芸術であり、リズミカルな動作を伴った一つの詩でもありました。それは魂を磨く方法でもあったのです。武士道は礼を厳格に遵守することで育まれてきた、道徳的な訓練のことなのです」

日本人の精神を欧米人に紹介する上での武士道、待庵に座る武士の姿が目に浮かんでくる。

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