茶碗と日本人

面白い本を見つけたのでご紹介

細川護熙推薦 独特の切り口に満ちた茶碗論であり、おもしろくて新しい日本文化論だ。なぜ日本人だけが「欠けた茶碗」に価値を見出すのか?織田信長が茶道を重視した理由とは?「やきもの」からみえてくる、まったく新しい日本人論。以下本文から

 

「茶道具の場合、かならずしも茶碗だけではないが、固体を識別し名前を付け、愛情または愛着を寄せる。視覚だけでは満足せず掌に入れ撫でて愛玩する。視覚以外に触覚や重量感覚を動員した鑑賞態度が出来上がる。手取りの感覚はその一要素になる」

「開高健によると、物書きが美味を語る際の禁句のひとつが”筆舌に尽くしがたい”だそうである。寅さんの科白を借りれば”それをいっちゃあ、おしめいよ”ということになる」

 

筆者は陶磁史の専門家であり茶道家ではないが、器物の美質をどう言語化するか?というテーマに古典や落語等を取り混ぜながら分かりやすく面白く展開してくれる。

 


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