夕去りの茶事

夕方4時過ぎの席入りだった。茶席の障子が徐々に陽に染まり、時の移ろいを感じながら懐石をいただいた。後座にはすっかり暗くなり、ご亭主の手作りの行燈が風情を醸し出す。一年を通じて行われる茶事だが、季節によってまるで雰囲気の異なるのは言うまでもない。時間調整に目一杯神経を使うお茶事、ご亭主の苦労が感激を倍増させる。秋の夕暮から蝋燭の灯りの世界へ、日本人で良かった。