富岡鉄斎展
「自分は学者であって画家ではない」と語っていたものの、近代最後の文人画家と呼ばれた人。それくらい画の評価が高く、世界的に認められている。なんでも鑑定団でも数百万の鑑定、一流品だと一体いくらの評価額であろうか。80歳を過ぎてから89歳で亡くなるまで傑作を連発するというのも凄すぎる。興味津々で終盤に覗いてきたが、やはり凄かった。茶道で人気のある太田垣蓮華尼に、若い時多大な薫陶を得ているが、画はカラリスト(色彩画家)と評される色使いなので、茶掛には強烈過ぎるかもしれない。しかし見ていると引き込まれてしまう。生涯一万点に余る作品が残されている割に、展示品が少なすぎるきらいはあった。入館者が少なかったのは、その強烈な個性のためであろうか。お蔭でゆっくり鑑賞することができた。