キュレーターの話
図書館に予約したのはどれくらい前だったろう、すっかり忘れていたが漸く順番が回ってきた。余程の人気作品と思われるが、やはりおもしろかった。
印象派以降のフランス絵画の場合、世界的に有名な美術館同士コレクションの貸し借りをし合い、理事会や館長やキュレーターの人的交流を活発に行って、大型の国際巡回展を組織している。日本の美術館は借りたい作品は山ほどあっても、それと引き換えに貸し出せる作品が少ない。名画を借りたければマスコミの文化事業部の人間が高額のレンタル料を提示するしかない。(本文より)
キュレーターとは展覧会の企画者のこと。作者はMOMA美術館勤務の後、フリーのキュレーターとして独立。とウィキには書いてあるが、詳しく調べると猛烈にユニークな人生を送っていらっしゃる。専門家が執筆した美術界の裏事情、”ふーん”なるほどと視野が広がる。表紙を飾るアンリ・ルソーの「夢」、どうしてもMOMAに見に行きたくなる一冊でした。