大名文化の華
地元の美術館で開催されている徳川美術館展。徳川美術館の所蔵品は一万点らしいが、その割に美術館のキャパが小さく一度に展示できる作品が少なく、いつも中途半端な気分で帰ってくる。数が少なくても時々地方の美術館で展観してもらえると有り難い。今回は大名文化の華というタイトルで開催されており、家光の娘、千代姫の婚礼調度の一つ純金台子皆具が大きなスペースを取って展示されていた。誠にきらびやかな細工物で遠くからでも目立っていた。しかしこの前で立ち止まっている人はほとんどおらず、茶入、茶碗、香道具の前に人だかりができていた。不景気の時勢、純金製の見事な道具が余りにも浮世離れしていてピンとこなかったのかも知れない。因みに鬼面風炉は10kちょっと、今の金レートで4,320万円である。庶民の興味として台子は一体いくらなのかと興味津々であったが、木胎を芯にして金の薄板を着せたものであった。