単眼鏡

展示場に入るとすぐに3列4列に及ぶ凄い人だかり。洛中洛外図屏風(舟木本)で一番人気だった。後ろから見ると全体像が分かるだけで、細かな人物像など見えるはずもなし。最前列に並び、丹念に上から下まで見るためには、その場に長く留まらなければならないので人が動く気配はなかった。諦めて次の展示物に移動したが、手になにやら持って覗いている人がちらほら居られた。単眼鏡だった。調べてみると日本の美術館には必需品とあり、用途に応じて4倍から6倍のものがお勧めとあった。人の後ろから見えて、細部に宿る美の世界を堪能できるとあれば是非購入して備えたい。国宝を堪能した後、別室に東博の150年という企画があり61点の展示物があった。これがまた重美のオンパレード、松方コレクション浮世絵版画は楽しかった。驚いたのは遮光器土偶、教科書に載っている超有名な発掘品。縄文時代にこれほど美的な像を作れるのか、ぞくっとしながら見入っていた。こちらは人がまばらなので独占状態で鑑賞できた。